漬物一年生 › おいしい食べ物ってなんなんでしょう?

2014年09月03日

おいしい食べ物ってなんなんでしょう?

どんなことでも、突きつめていく方向というものがあって、その方向を間違うと本質とはどんどん離れて行ってしまうということがあります。

食品ではそのことが顕著に出ていて、そのことについて書いてみたいと思います。


たとえばパン。
パンを作るのに一番単純な材料は、
小麦、酵母、塩 くらいだと思うのですが、実際にスーパーで売られているパンの原材料を見てみると、なんと添加物の多いことでしょう。

真面目なパン屋さんが作ってるパンって、とってもおいしくて幸せな気持ちにさせてくれますよね。

実際、昔にパンが出回った時に、たくさんの人がその味に感動したはずです。
しかし、添加物ができて、このパンをもっとたくさんの人に食べさせたい!と思った時に道は二つの方向にあります。
つまり、「おいしいパンを!」という方向と、「たくさんの人に!」という方向です。

「おいしいパンを!」という方向に突きつめていけば、いまの原料のままでものか、それよりも良いものをつくろうとしていくはずで、それにはやはり技術が必要。
技術を持った人が少なければ、当然、供給できる量も多くはなりません。

「たくさんの人に!」という方向に突きつめていけば、とにかく誰でも安定した品質のものを作ることができるように添加物を使っておう。味は少しおちるけど、まぁこれくらいなら許容範囲だろう。
ということになり、供給できる量もどんどん増えていきますが、味の許容範囲もどんどん広がっていく。

日本で一番たくさんパンを売っている、誰もが知ってるパンメーカー。
いうなれば、日本で一番プロというべきパン屋が、たくさんの添加物を使わなければパンを作ることができない。
これが後者なわけですが、これは最初にあった
「おいしいものをたくさんの人に食べてもらいたい!」
という願いからはずれているように思います。


これは、漬物を含めたすべての加工食品に言えることです。
むりやりにでもたくさん作って、たくさん売ろうと思った時点で、実は「おいしい」という本質からは離れてしまっているのかもしれません。

ぼくは、たくさんの人においしい漬物を食べてほしいと、常日頃思っていますが、そこに安全性や豊かさというものを置いてけぼりにしてしまっては意味がないと考えます。もちろんおいしさも。
漬物の本質、しっかりと自分のなかにもっていなければ!



Posted by 「漬物本舗 道長」 石川大介 at 09:33│Comments(1)
この記事へのコメント
たくさんの人にという目標の蔭に、より安く(もうかる)というメーカーサイドの経済性があったりする。安全・おいしさと大量生産・経済性とは相反します。両立は難しいですが、答えは簡単です。客様と喜びを分かち合える商品づくり。その間には信頼があります。これですね。
Posted by michinagamichinaga at 2014年09月03日 10:26
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